〝テキスト音声読上げ〟評価用プログラム

🔰Ⅷ |多媒体(たばいたい) 図書の普及
 一般に図書というと紙に書かれた書籍をイメージしますが、残念ながら視覚障害者にはそのままの状態では読むことはできません。
 活字や一般の紙に書かれた文字のことを「墨字」と言いますが、視覚障害者には手書きや活字の図書は残念ながらそのままの状態では情報として全く役に立たないのです。
 そこで従来行われてきたのが点訳や音訳のボランティアによる活動です。
 点訳や音訳ボランティアが作成した図書は主に点字図書館や障害者サービスを実施している公共図書館経由で貸し出しされていますが、社会福祉協議会やボランティアグループなどからも貸し出されているケースもあります。
 しかし、現実問題としてボランティアに依頼しないと読めないというのでは正直困るため、点字墨字併記の印刷物が普及し始めました。
 特に行政からの通知文や、電話やガスといった公共料金の明細書なども送付するサービスが実施されています。
 一般的に点訳者が作成した図書を音訳図書といいますが、特に朗読ではなく、あえて「音訳」という表現をするのは、図書の中に含まれている図や写真、グラフや|表(ひょう)と言った視覚情報も言葉に置き換えて説明し、書籍全体が伝える情報を視覚障害者等にも理解できるように配慮した図書だからです。
 また、最近では点字だけでなく、DAISY「Digital Accessible Information System」等の録音図書の提供も行われるようになりました。
 DAISY形式の録音図書とは、今まで多く使用されてきたカセットテープに変わり、デジタルで録音した図書で、書籍に付けられた章や|節(せつ)、|項(ページ)といった構造化を実現されている他、原本のページ番号なども付けられ簡単な操作で書籍同様に聞きたいところにジャンプして利用できる図書のことです。
 また、最近ではマルチメディア DAISY図書やテキスト DAISY図書も普及し始め、これらの資料は文字情報も含んでいることから、文字列単位での検索も容易にできるため普及が期待されています。

 特にマルチメディア DAISY図書は従来、録音図書を利用してきた視覚障害者だけでなく、発達障害者やディスレクシア、LDと言った読字障害者にも音声だけでなく、テキストや画像なども同期して表示されるため、耳からの読書に加え視覚による読書も可能なことから、多くの読書障害者に活用できることが期待されています。
 特に書籍のページをめくれない肢体不自由者や筋ジストロフィー、ALSの患者、寝た切りの高齢者などにも活用できるのではないかと期待されているのです。
 DAISY図書は従来CD等での提供が一般的でしたが、最近ではサピエ図書館「https://www.sapie.or.jp/」に代表されるようにインターネット経由で提供されるようになってきています。
 サピエ図書館では従来から製作されている録音図書や点字図書の書誌情報を検索できるだけでなく、点訳データやDAISY化された録音図書、数は少ないのですが、テキストDAISY図書やマルチメディアDAISY図書も直接ダウンロードできる形式で提供されています。また図書の情報だけでなく、様々な地域生活情報なども記憶されています。
 その他、視覚障害者向けの情報提供として墨字の書類に付けられたSPコードという2次元バーコードもあります。
 これは一般に普及しているQRコードの様な紙に付けられたコードで、特殊な機器やスマートフォンに専用のアプリケーションをインストールして内蔵のカメラ機能を用いて文字情報を音声読み上げすることができる仕組みです。
 特に行政からの通知に付けられており、点字ではなく音声で読み上げできるのが特徴です。
 また、最近ではアクセシビリティに配慮されたスマートフォンを使用することにより、販売されたり無償提供されている電子図書を最初から合成音声で読み上げできる図書も徐々にですが普及しつつあります。
 この様に、社会のインフラが徐々に整備されて行くことにより、今までの不便さが少しづつ解消されていくことが期待されています。
 昔は情報=紙ベースでしたが、最近ではデジタル技術が進化しており、デジタル化した情報であれば様々な方法を駆使して活用することが可能になっているのです。

 図書も一般の墨字だけでなく、予めいろいろな読者を想定した媒体を準備することで最初から誰でも読める環境が実現できるのです。
 情報はすべての人たちに遍く提供されることが究極の理想であり、アクセシビリティに配慮されたインフラ構築が急務となっていると言っても過言ではないでしょう。
ホームページ等の音声化対策作業のことなら《 エムソリューション株式会社 担当:村北 》が承ります。
📍美しい日本語を次世代に引継ぐ…
この度、障害者差別解消法に対応するために音声読上げプログラムを開発しました。

スマホはあなたの名前を正確に読んでくれますか。
〝音声読上げ装置〟開発の経緯【佐藤幸治】

スマホで自分の名前をメモに書くときには辞書を利用して候補から選ぶという行為を行います。
作成した文章を読み合わせのために「コントロールパネル」から「アクセシビリティ」の音声読上げ機能スイッチをオンにして、文字列を選択して「読上げ」を開始してもユーザー辞書は対応しません。

佐藤幸治は〝サトウ ユキハル〟と読上げるのです。

日本語特有の問題、漢字は音読み、訓読み、更に〝当て字〟まであるのですから開発者も対応できなかったのでしょう。
OS(オペレーティング・システム)レベルで日本語の読上げができないのであれば、創るしかありません。
そこで漢字の読み仮名、いわゆる〝るび〟に着目しました。
通常の文章はそのまま読上げ〝るび〟が振られている場合は〝るび〟を優先して読上げれば可能になります。
最初に開発された〝音声読上げ装置〟は『スピーチオ』です。
その読上げルール(テキストフォーマット)は
佐藤幸治 → 佐藤(幸治:コウジ)
(:)【半角】

青空文庫の場合は
佐藤幸治 → 佐藤|幸治《こうじ》
|《》【全角】

基本的にはこの二種類のフォーマットに対応すればテキストの音声読上げは可能になります。

因みに(ことせかい)の場合は
佐藤幸治 → 佐藤|幸治(こうじ)
|()【半角】

OSのパッチは難しいので、アプリを検討しました。しかし、現在、スマホのOSは「iOS」 と「Android」があります。「ブラウザ」なら、リソースが共有できるため、「JavaScript」で開発しました。従いまして、現在の〝音声読上げ装置〟はテキストをダイレクトに読上げることが可能になりました。
私の名前は佐藤|幸治(こうじ)です。
〝るび〟通り正確に読上げることができるようになりました。