〝テキスト音声読上げ〟評価用プログラム

🔰Ⅲ |公共(こうきょう)のトイレ
 みなさんが外出した先で使う公共のトイレで、流すボタンやレバーなどの位置、操作の仕方に迷ったことはありませんか?
 流すボタンやレバーの位置が分かりやすかったり、流し方が理解しやすかったりすると私たちはストレスを感じません。
 ところがボタンなのかレバーなのか、それがどこの位置にあるか分からないととても困ります。また、操作の場所は見つけたけれど、押すのか、手をかざすのか、便座を離れると勝手に流れるのか判断が出来ない時は焦ってしまいます。
 目が見える人はこのような状況でも便座などの周りを見渡せば、時間はかかっても操作方法は分かります。ところが視覚障害者は、このボタンやレバーなどの操作部の位置が分からなければ操作はできませんし、操作の方法が分からなければ流すことができません。
 最近の操作部は、便座に座って左右いずれかの壁に配置されたり、左右になければ後方に配置されたりしていることもあるので、操作部の場所は分りやすくなってきました。また、流すボタンには凸表示があるものもありますので、軽く触ると流すボタンであるかが確認できます。
 しかし2007年まではこの配置がバラバラであったため、視覚障害者が外出先で公共のトイレを利用する際に、壁の様々な場所を触らなくてはならず、とても苦労したという話があちらこちらで聞かれました。いったん個室に入ってしまうとだれにも聞けません。水が流せず、何十分も個室にこもった話や、やむをえなく個室の外に出て誰か知らない人に流し方を教えてもらう人達もいました。その時は、とても申し訳なくそして恥ずかしい思いをした人も多くいました。また視覚障害者の声を聞く中で、実は高齢者にとってもボタンや、配置が分かりにくいものであったこともわかりました。
 その多くの不便さの声を、日本で高齢者や障害者のためのルールを決めている団体が開き、障害者団体、業界団体、学識経験者や調査機関等と協力して、公共トイレの操作部の形や色、配置、そして器具の配置についてルールを決めました。

 トイレットペーパーホルダー「紙巻き器」の上部に便座洗浄ボタンを配置し、便座洗浄ボタンより、座った人の手前側に呼び出しボタンを配置するものです。
 2007年に日本工業規格「JIS」で、ルール化されてからは、少しずつですが、公共のトイレの配置が統一されてきています。
 この工夫は、視覚障害者や高齢者にとっても助かるものになりましたが、障害のない人達にとっても分かりやすくなりました。
 最近では、「だれでもトイレ」や「障害者マークのついたトイレ」も増えてきました。車椅子使用者やベビーカーを使用する人達はトイレ内が広く、車椅子やベビーカーでも移動がスムースにでき、内部障害の人達「オストメイトなど」も専用の洗浄スペースが設けられているので利用しやすくなりました。一般の女性のトイレにも男性のトイレにも、乳幼児のおむつ替えが出来るテーブルも増えてきましたので、多くの人が状況に合わせて、使うことが出来るようになってきました。
 また公共のトイレ、とりわけ駅のトイレでは、入口付近に行くと音声案内をしているものもあります。触って分かる工夫だけでなく、音声の案内も助かる工夫の一つです。

参考規格:『公共トイレ」における便房内操作部の形状、色、配置及び器具の配置「JIS S 0026」』

用語解説:オストメイト:様々な病気や障害などが原因で、腹壁に造られた便や尿の排泄口のことを人工肛門・人工膀胱といいます。人工肛門・人工膀胱のことを総称してストーマといいます。ストーマを持っている人のことを「オストメイト」と呼びます。
ホームページ等の音声化対策作業のことなら《 エムソリューション株式会社 担当:村北 》が承ります。
📍美しい日本語を次世代に引継ぐ…
この度、障害者差別解消法に対応するために音声読上げプログラムを開発しました。

スマホはあなたの名前を正確に読んでくれますか。
〝音声読上げ装置〟開発の経緯【佐藤幸治】

スマホで自分の名前をメモに書くときには辞書を利用して候補から選ぶという行為を行います。
作成した文章を読み合わせのために「コントロールパネル」から「アクセシビリティ」の音声読上げ機能スイッチをオンにして、文字列を選択して「読上げ」を開始してもユーザー辞書は対応しません。

佐藤幸治は〝サトウ ユキハル〟と読上げるのです。

日本語特有の問題、漢字は音読み、訓読み、更に〝当て字〟まであるのですから開発者も対応できなかったのでしょう。
OS(オペレーティング・システム)レベルで日本語の読上げができないのであれば、創るしかありません。
そこで漢字の読み仮名、いわゆる〝るび〟に着目しました。
通常の文章はそのまま読上げ〝るび〟が振られている場合は〝るび〟を優先して読上げれば可能になります。
最初に開発された〝音声読上げ装置〟は『スピーチオ』です。
その読上げルール(テキストフォーマット)は
佐藤幸治 → 佐藤(幸治:コウジ)
(:)【半角】

青空文庫の場合は
佐藤幸治 → 佐藤|幸治《こうじ》
|《》【全角】

基本的にはこの二種類のフォーマットに対応すればテキストの音声読上げは可能になります。

因みに(ことせかい)の場合は
佐藤幸治 → 佐藤|幸治(こうじ)
|()【半角】

OSのパッチは難しいので、アプリを検討しました。しかし、現在、スマホのOSは「iOS」 と「Android」があります。「ブラウザ」なら、リソースが共有できるため、「JavaScript」で開発しました。従いまして、現在の〝音声読上げ装置〟はテキストをダイレクトに読上げることが可能になりました。
私の名前は佐藤|幸治(こうじ)です。
〝るび〟通り正確に読上げることができるようになりました。